土地使用協定について
土地使用協定条文ほか
金沢産業団地土地使用協定
一般社団法人横浜金沢産業連絡協議会
本書の構成
1 方針
2 条文
別紙1 金沢産業団地土地使用協定区域図
別紙2 周辺企業の範囲の基準
1 方針
(背景)
金沢産業団地は、金沢地先埋め立てによる造成地への企業進出から 30 年を経過した。この間、経済環境の変化等による既存の立地企業の撤退や今までに想定できなかった新規企業の進出が顕著となり、その結果、異業種の混在化が進行するなど、計画当初に目指した団地環境に揺らぎを生じた。
そこで、(一社)横浜金沢産業連絡協議会(以下、「産連協」という)では、計画当初に目指した団地環境を維持してくため、平成9年度に全国に先駆けて「金沢産業団地環境憲章」を制定した(以下 「環境憲章」という)。
また、企業が進出した当初に福浦地区で取り交わした金沢工業団地建築協定の精神を準用し、土地所有権の移転時、事業内容の変更時あるいは施設の増改築時等、操業環境を変える際の手続き事項として、金沢産業団地全域に適用する取り決めを作成し、望ましい企業構成からなる団地環境の維持に努めるべく、平成13 年度総会において金沢産業団地土地使用協定(以下、「旧土地使用協定」という)を議決・制定した。
旧土地使用協定はその後、今日に至るまで多くの事例に適用され、近隣操業環境の保全等に効果を発揮してきたが、経営環境の変化などから一部見直しの必要性がでてきている。
今回、旧土地使用協定の維持とさらに効果的な運用を行うためのルールを、金沢産業団地のまちづくりルールとして定めるものとする。
(まちづくりの目標)
金沢産業団地は、横浜市の産業発展の礎となるべく、横浜市にとって大変貴重な自然味豊かな海辺を埋め立てて造成された。そして、木材、流通、製造業等の工業・流通系の産業を中心とした都市機能をここに集約立地し、合理的で適正な配置を行い、機能的で良好な環境を有する理想的な産業団地の形成を試みたものである。
そこで、この地へ移転した私たち企業は、理想的な環境の維持・発展に努めるべく、環境憲章に基づいて以下をまちづくりの目標とする。
- 製造業及び流通業等が安心かつ安定して活動できる操業環境の維持・向上を図る。
- 健康で明るい地域社会との調和を目指す。
- 豊かな緑の保全と形成を図ると共に、公害の防止に積極的に努める。
- 交通道徳や地域社会の秩序を守る、相互の合意形成を図る。
- 地域における豊かなコミュニケーションの確立に努める。
(土地利用の基本的な考え方)
金沢産業団地は、極めて多彩な業種によって構成され、身近に相互補完が可能な特性を有する。そうした特性を生かし地区の力としていくために、以下を土地利用の基本的な考え方とする。
- 工業・流通系の産業の場として生み出された意思を受け継ぎ、今後も堅持する。
- 時代に応じた産業構造の変化は、地域の活性状態を維持する上で許容し、歓迎する。
(協定の審査)
操業環境の変化が、周辺企業に致命的な不利益を生じさせないため、これらの変更手続きは、周辺企業の理解を得るよう努めることを原則として審査する。
2 条文
第1章 総則
( 目的 )
第1条
本協定は、企業が金沢産業団地の区域内に新たに立地する場合及び事業内容を変更する場合等の手続き等に関し、必要な事項を定めることにより、良好な近隣関係及び流通・生産環境を維持し、併せて企業モラルと共存意識を高めることを目的とする。
( 名称 )
第2条
本協定は、金沢産業団地土地使用協定と称する。
( 協定の締結 )
第3条
本協定は、金沢産業団地の団地統括組織である産連協の総会の議決を経て締結する。
( 協定区域 )
第4条
本協定の目的となる土地の区域は、別紙1の「金沢産業団地土地使用協定区域図」(以下「区域図」という)に表示する区域とする。
( 法令の遵守 )
第5条
本協定区域内の土地の所有者、建築物の所有を目的とする地上権又は賃借権を有する者、建築物の占有を目的とする賃借権を有する者及び当該所有権等を取得することとなる者(以下「土地の所有者等」という。)は、本協定を遵守するとともに、事業所が操業するにあたって守るべき関係法令等を遵守しなければならない。
第2章 施設に関する基準
( 用途 )
第6条
区域図に表示する協定区域においては、次の各号に掲げる用途に供する施設は、建設してはならない。ただし、第9条に定める運営委員会が、本協定の方針に則したもので、公益上必要と認める用途に供される施設は、この限りではない。
- まあじゃん屋、ぱちんこ屋、射的場その他これらに類するもの
- 神社、寺院、教会その他これらに類するもの
- カラオケボックス等これに類するもの
- その他、本協定の方針における「まちづくりの目標」及び「土地利用の基本的な考え方」に明らかに反するもの
( 意匠 )
第7条
建築物および工作物の意匠は、周囲の環境との調和を図るとともに、敷地内においても景観を著しく阻害する不用意な野積みを避ける等、周辺の操業環境保全に努めなければならない。
( 設備 )
第8条
施設には、騒音、振動、汚水、廃液、ばい煙、粉じん、ガス、臭気及び公道の占拠等による公害を防止するため、必要な設備を設置しなければならない。
第3章 運営委員会
( 運営委員会 )
第9条
- 本協定の運営に関する事項を処理するため、産連協内に土地使用協定運営委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
- 委員は若干名とし、産連協の理事会において任命する。
- 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
- 委員は、再任を妨げない。
( 役員 )
第10条
- 委員会に、委員長及び副委員長を置く。
- 委員長及び副委員長は委員の互選によって定める。
- 委員長は、委員会を代表し、本協定の運営事務を総理する。
- 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるとき、又は委員長が欠けたときは、副委員長がその事務を代理する。
- 前4項に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が定める。
第4章 土地の所有者等の責務
( 事業内容計画書の提出 )
第11条
土地の所有者等が次の各号に掲げることを行おうとするときは、あらかじめ、事業の内容を記載した事業内容計画書(様式1)を作成し、委員長に提出しなければならない。
- 土地の所有権、建築物の所有を目的とする地上権又は賃借権及び建築物の占有を目的とする賃借権(以下「所有権等」という。)を取得又は移転しようとするとき
- 事業内容を変更しようとするとき
- 建築物等の施設の新築あるいは増改築を行おうとするとき
- その他、周辺企業の操業に影響を及ぼす操業内容等の変更を行おうとするとき
( 周辺企業への説明 )
第12条
- 土地の所有者等は、周辺企業及び委員長に対し、前項の事業内容計画の説明を行うものとする。
- 説明の実施について周辺企業から再度要求があった場合は、誠意をもってこれに応じるものとする。
- 周辺企業への説明を終了したときは、周辺説明実施報告書(様式2)を作成するものとする。
- 前項に規定する報告書は、周辺企業に確認を得たうえで、遅滞なく委員長に提出しなければならない。
- 周辺企業の範囲は、別紙2「周辺企業の範囲の基準」とする。
( 意見書の提出 )
第13条
- 周辺企業は、前条の規定により土地の所有者等が行う説明に誠意をもって応じるものとする。
- 周辺企業は、土地の所有者等が行う説明に意見があるときは、当該説明を受けた日から1週間以内に、委員長あてに事業内容計画意見書(様式3)を提出することができる。
- 委員長は、前項に規定する意見書が期限内に提出されない場合は、当該周辺企業からの意見がないものとみなすことができる。
( 委員会の審査 )
第14条
- 委員長は、第11条に規定する事業内容計画書及び第12条第3項に規定する周辺説明実施報告書の提出を受けたときは、すみやかにその内容について委員会に諮らなければならない。ただし、前条に定める周辺企業からの意見が特になく、周辺環境に影響を与える恐れがないと認められる場合は、委員会の審査を省略することができる。
- 前項に規定する審査は、前条第2項に規定する事業内容計画意見書が提出された場合は、その内容を尊重して行われなければならない。
- 委員長は、事業内容計画書等の内容に疑義がある場合は、土地の所有者等に対し、質問の聴取、資料の追加、変更の申し入れを行うことができる。
- 委員長は、審査の結果を土地の所有者等に対し、すみやかに回答書(様式4)により回答しなければならない。
- 前項の場合、当該企業の進出により明らかに周辺環境に影響を与えることが予測される場合は、委員会の総意に基づき、事実を会報並びに掲示板で公表することができる。
( 土地の所有者等変更の手続き )
第15条
- 土地の所有者等は、第14条に規定する審査が完了してから土地売買等契約手続き(前条の規定により準用される事業内容変更の場合の手続きを含む。)に着手するものとする。
- 土地の所有者等が変更された場合、新たな土地の所有者等は、土地所有者等変更届(様式5)を委員長に届け出なければならない。
第5章 雑則
( 用地情報等の収集 )
第16条
- 委員会は、本協定が十分にその機能を果たすよう土地情報等の収集に努めるものとする。
- 土地の所有者等は、前項に規定する委員会の活動に協力するものとする。
( 組織への加入 )
第17条
土地の所有者等が変更された場合、新たな土地の所有者等は、変更後すみやかに産連協への加入手続きをするように努めるものとする。
( 違反者への措置 )
第18条
- 委員長は、本協定に違反した者があったときは、当該違反者に対し、是正措置をとるよう求めることができる。
- 委員長は、違反者が前項に定める求めに従わないときは、委員会の決定に基づき、違反の事実を会報並びに掲示板で公表することができる。
- 委員長は、前項の公表を行おうとする場合は、あらかじめその者に対して公表する旨を通知するとともに、意見を聞く機会を設けなければならない。
( 協定の改正 )
第19条
本協定内容を改正しようとする場合は、産連協の総会において議決しなければならない。ただし、委員長が軽易な改正と判断する場合は、委員会で決定することができる。
( 協定の廃止 )
第20条
本協定を廃止しようとする場合は、産連協の総会において議決しなければならない。
別紙1 金沢産業団地土地使用協定区域図
別紙2 周辺企業の範囲の基準
金沢産業団地土地使用協定第 12 条5項における周辺企業の範囲は、次の事例及び各ブロック長とする。
※ 当該地とは、協定11条に規定する行為を行おうとする土地とする。